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25日にひき続き、「君たちはどう生きるか」 [記事]

25日にご紹介した、吉野源三郎氏の名著についてですが、

宮崎駿監督の新作の題名も、「君たちはどう生きるか」だそうですね。
ちょっといいタイミングで、嬉しいです。
どのような映画なのか、今からとても気になります。

塾生の子どもたちも随分成長された頃に、また話題になってそうです。
映画公開はまだまだ先だそうですが、楽しみですね。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6259127

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『パパは脳研究者』 池谷裕二   クレヨンハウス  2017 [読書]

今回は、幼児の発達を最新の脳科学の視点から時系列的に復習したいと思いまして。
今回は、池谷先生の著書をご紹介します。
これまで、何度か学会で池谷先生のご発表を聴くことがありました。
ご研究内容も大変重要なテーマで奥が深いところですし、
さらに、魅力的なプレゼンテーションをさせる先生です。

現在は、お二人の娘さんをお持ちで、こんなにイクメンだったんだ!!って、ちょっと驚きました。
なんだか微笑ましいです。
これまで存じ上げなかった、池谷パパとしての微笑ましいお姿が浮かびます。

池谷先生も仰っているように、お子様の発達は、ほんとにお一人お一人異なるかと思いますが、
一ヶ月ごとの記録簿から沢山教わることがあります。


子育て中の親御さまにとって、少しでもお役に立てればと願い、
勝手気ままにまとめましたので、よろしければご覧下さい。


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『パパは脳研究者』 池谷裕二   クレヨンハウス  2017


【妊娠】
■初妊娠した女性の脳の変化
バルセロナ自治大学のヘクゼマ博士。
妊娠すると、大脳皮質の灰白質の体積が大規模に減少。
シナプスが刈り込まれて効率よく神経回路が働くように。
体積減少が顕著なのは、他人の心を読む皮質領域である。
この減少量が多い母親ほど、産後の赤ちゃんへの愛情が強かった。
この脳回路の変化は、産後2年経った時点でも変わらなかった。

【1ヶ月】
■オキシトシン:相手を絶対的に信じ、愛情を注ぐためのホルモン。仲間とそれ以外の敵に区別するホルモンとも言える。鼻にスプレーすると他人を信じてしまうほど強力な効果がある。授乳中にもよく分泌され、さらに我が子への愛情を強める働きをする。

男性のオキシトシン濃度は?
父親は子育てに参加すればするほど、オキシトシン濃度は増加する。
最終的には、母親と同レベルまで到達する。

■視線と顔への嗜好
生後2-5日の乳児でも視線が合っているかどうかを識別できる。
生後4ヶ月までには、親と視線が合うことをはっきり好むように。
顔への嗜好は、早くも妊娠25週からみられるそう。

【2ヶ月】
■モロー反射: 脳回路が未成熟で大脳皮質の神経細胞が同期活動することによる。けいれんに似た単純な反射現象と言われる。

【3ヶ月】
■クロスモーダル連合:五感がばらばらに働くのではなく、連動して全体として協調すること。
■見えるものに自分から手を伸ばす時期。世界が3次元だと気づき始める時期 (空間概念の獲得)。
■マザーリーズ:音程が高い声に乳児はよく反応することが知られる。
■父と母は別人だとわかる。

【4ヶ月】
■何でも口に入れて確かめようとする。
■実物の顔と写真の顔が別だと理解する。
(写真や鏡に映った自分を、自分と認識できるのは、1歳半頃。)

【5ヶ月】
■笑い方にバラエティーが出てくる。

【6ヶ月】
■母親が姿を消すと泣くようになる (時間の概念の獲得)。
■よくマネをするようになる。声マネも。(3ヶ月まではマネをしないことが分かっている)ちなみに、言葉の成長にはほぼ男女差がないことがわかっている。

【7ヶ月】
■音楽の3要素の中で、最初に習得するのがリズムで、生後半年頃までに。
■脳の両半球の機能分離はまだ不十分なので、ほぼ左右対称の身体の動き。

【8ヶ月】
■言葉の吸収力が強くなってくる。
■言葉遣いに大人は注意。

【9ヶ月】
■親指、人差し指で精密把握 (親指と人差し指でつまむ)。
(320万年前、アウストラロピテクスが初めて人間のような精密把握を行った。)
■共同注視。問題意識の共有は、恊働作業を行うための基礎になる。

【10ヶ月】
■痛みが身体のどこから来たのかわかるようになる。

【11ヶ月】
■歩きたい欲求は生得的。スプーンを使いたい、道具へのよっきゅう。自分で使いたい。自分でやりたい欲求。

【1歳】
■指差し、
■能動的な行動こそが、脳が強く活性化する〜主体的に行動することの重要性。
(ネズミのヒゲを物に触れさせる実験、能動的アクティブタッチは、受動的パッシブタッチよりも、実に10倍もの脳の反応の差がある。)

【1歳1ヶ月】
■睡眠することで、覚えた単語を汎化していく。
良く遊びよく寝ることで、語彙力を増やしていく。

【1歳2ヶ月】
■ベイズ推定、1歳の脳でもベイズ推定ができる。
AIとは桁違いに少ない訓練で上達できるのが人の脳。
思い込み、信念に基づき行動する生き物、それがヒト。

【1歳3ヶ月】
■予測。先手を打つ事、予測して対処することができるようになってくる。
ヒトの脳の最重要の機能の一つ、先手を打つこと、予測して対処する。
★気が合うってどういうこと?
会話している2人の脳反応を調べる。気が合うとは、2人の脳の状態が同期して、脳活動の波長がぴったり合っていること。話しを聞いている相手の脳は、話し手の話しを聞くよりも、わずかに前に活動を始める。会話が噛み合えば噛み合うほど、聞き手の脳の一部は、話し手の脳よりも前に活動を始める。
その脳部位は、予測に関連した部位である。事前に予測しながら、話しを聞いている。これが気が合っている状態。

【1歳4ヶ月】
■親の口癖が子どもに受け継がれる。
★地球上で脳を持っている生物は全体の0.13%に過ぎない。

【1歳5ヶ月】
■鏡の自分を認識。
1歳半になりようやく鏡像が自分の姿を映していることを認識できる。
(一般に、4ヶ月頃から鏡に映る自分の姿に関心を持つ。
1歳を過ぎると、鏡像と実在は異なることを徐々に理解。)

★鏡に映る自分を認識できるのは、ごく一部の動物だけだそう。
カラス、チンパンジー、イルカ、アジアゾウである。
カラスが賢いってよく言われるけれど、たしかにそうなんだ・・・
一方、アフリカゾウや、犬は無理らしい。

【1歳6ヶ月】
■2語文で言葉の表現が広がる。(誰からも習わずとも、必ず名詞のあとに形容詞や動詞をつける。)
■積み木が上手になってくるが、途中に小さな積み木を積んでしまうので崩れやすい。

【1歳7ヶ月】
■瞬間の記憶が長持ちしてくる。
作業記憶が発達してきて、パズルの途中で声をかけてジュースを飲ませても、その後、すぐにパズルへ戻る。(作業記憶、展望記憶が発達を意味)

【1歳8ヶ月】
■第一反抗期(イヤイヤ期)イヤイヤが起こるのは、子どもの要求と社会の制約もしくは親の事情がぶつかるから。イヤイヤ期の対処法の一つとして、鏡に本人のイヤイヤ姿を映して見せるとおさまることも。
■命名期。
色の識別、睡眠中に色の記憶も定着を。(虹の色の数は、米国6色、中国5色)
1歳半、しきりに物の名称を尋ねる。命名期に300語程の語彙にふえる。

【1歳9ヶ月】
■2単語期を卒業
■相手の立場に立って、ものをみられるように。
■メンタルローテーション(頭の中で自由に物体を回転させて眺める能力、認知の基礎能力)。立体パズルがとても良い。
■エゴセントリック(自分中心の視点)からアロセントリック(外部からの自分の立ち位置を見る視点)へ。

【1歳10ヶ月】
■物をかくす
■ウソをつくように (例、靴下を後ろに隠しないという。)

【1歳11ヶ月】
■強化学習。小指を立てるのはまだ難しいが、自ら頑張る。できると嬉しそう、

【2歳】
■見た目ではわからないような、温・冷や、軽い・重いまで表現できるように。
■文字に興味。覚え始める。
■数字はものの数を表し、どんどんふえるといっぱいになるとわかる。
■赤ちゃん言葉を脱する。

【2歳1ヶ月】
■網をお盆に見立てておままごと、空想おままごと。
■色の恒常性、赤い消防車(暗い所でも赤は赤だ)、絶対性の習得

【2歳2ヶ月】
■ものが一緒、違う、を区別する。似たようなアルファベットも識別可能に。
 左手、右手の区別もできる、左に曲がって、というと通じる。
■指先が器用に。

【2歳3ヶ月】
■4単語以上の長い文章を話す。
(しかし、この時期の記憶には、しばしば偽の記憶が含まれるのが一般的なので要注意)
■自分のことを見てみてと言い出す。視線を要求するように。

【2歳4ヶ月】
■これからどうなるかを予測して対処するようになる
過去の記憶に基づき予測する。日頃の記憶が脳回路によりしっかりと蓄えられるようになってくる。
2歳前半の時期、知っている単語を羅列する羅列期。
■イヤイヤ期もうすぐ卒業。


【2歳5ヶ月】
■動詞の活用形を使えるように。
■数字を数えられるように。
1の次は2、2の次は3と、視点を一つ前に進める、これもパースペクティブのループ的な応用。相手の裏をかく、おべっかを使うのも同様。

【2歳6ヶ月】
■映像認識、ある時期までの特殊能力のため、パズルの天才であることも。
■自我がしっかりしてくる。自尊心も。

【2歳7ヶ月】
■おむつがとれた。
■自己抑制力。自制心。社会性の本質は、自己抑止力。
おもちゃを友だちに貸す。塗り絵をはみ出さずに塗る。我慢できる。
好きなDVDを1回見たら、かしこくお風呂に入るように。

自己抑止力が至る所に出て来て、社会 (園)に出る準備を。


【2歳8ヶ月】
■複次視点の獲得、例)ぬいぐるみで1人2役。
■想像力。柔軟性、発想力。自由なもののみたて、まんじゅうやミニカーを電話に。視点の自由度の向上。新しい遊びの開発など。


【2歳9ヶ月】
■3歳近くになると、1000語ほどの語彙力。
■模倣期、周囲の言葉を良く真似する。
相手の反応を予期する力が増す。相手の期待や社会のしきたりを知った上で、あえてその期待をはずしたり、裏をかくことが楽しい時期でもある。

■何に興味を示すかは一人一人違う。
半年程前にアルファベットに強い興味をもち、気づいたら全部覚えていた。
一方、ひらがなの無料教材を見せても興味示さず覚えなかった。
数字は好き。2+3ができる。
★ひらがなや、数字、アルファベットに興味を持つ時期や順番は個人個人異なるようだ。
専門的には、”準備された心”、という。
“吸収できる土がないと水をやっても育たない”

【2歳10ヶ月】
■他者を意識した行動
困っている人に気づいて助けたり、労をねぎらったり。
予測と対処、高度なウソをつく、思いやり。

【2歳11ヶ月】
■絵本を読める。
■ひらがなの習得。
1ヶ月くらい前から急に、毎日のように『あいうえお、見たい』と言って、教材のビデオを見たがって。あっという間におぼえた。
2ヶ月前に同じビデオを見せたときは全く反応を見せなかった。

【3歳】
■ヒトの大脳皮質の神経細胞数の変化について
誕生時が最高で、3歳までに30%まで減る。その後は、健康ならずっと変化せず、その30%を維持する。
ヒトの大脳皮質の神経細胞の元々の数を100%とすると、3歳までの間に70%が減少、つまりどの神経細胞を残すかが決まるのが3歳までである。

■自分の意思を理由とともに説明したりできる。自分で考える事が少しずつできるように。

脳科学者のパパは、
子育ては何が正しいかは実に難しい問題だが、と断った上で、
思考力や、論理力の発達をサポートする方向で子育てに奮闘されている。


ほんとうは、4歳まであるのですが、今回は3歳までで一区切りしますね。
えらい、長くなりましたね。
ご覧いただいた方、どうもありがとうございます。



★おまけ★
小学校にあがるまでに、親子がよく接するなど丁寧に世話され、大切に育てられた幼児は、そうでない子に比べ、海馬の回路が2倍以上よく発達し、思春期になった後も自分の感情を上手くコントロールできるようになる。


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『Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた気象学者』 [読書]

『Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた気象学者』 –2017/8/3 小学館
佐々木 健一 著

アメリカで大活躍した偉大な気象学者の知られざる感動ストーリーです。
海外で偉大な業績を残し著名だけれど、日本では殆ど知られていない、
そんな人々は意外に多いですが、その最たる事例かもしれません。

私もこれまで存じませんでしたが、偶然、何かのご縁で出会った本です。

時代の先を行く人には、例外なく周囲から猛批判が飛びます。
強く激しい向かい風が襲います。
しかし、屈せずに闘い続け、信念を貫き通します。
そしてとうとう、偉業達成、多くの人の命を救うことに貢献しました。


父からの実地での体験型教育、
18歳の科学賞受賞が研究者としての人生の原点となっていること、
専攻が、はじめから気象学ではなく、機械工学であり、物理学も学んだこと、
長崎の原爆調査の経験、
地質学の教授に同行した調査の体験など

ほんとうに人生にはひとつも寄り道や無駄なんてないんだと教えてくれます。
というよりも、氏は、これまでの経験の一つも絶対に無駄にしないという決意で、
常にベストを尽くして日々闘っていたからこそ、
全ての経験とそこから得られた智慧が、本当の意味で活きたものに転化したんだと思います。


最後は、お気の毒なことが重なり、読んでいて辛かったです。
親友が病状を記録するように伝えたところと、それに応える博士の姿勢が感動的でした。


中高生、青少年の皆さんにもぜひ読んで欲しい偉人伝です。
誰もが知る、メジャーな偉人伝とはまた趣が異なります。

得られるものがあるのではないでしょうか。


氏は、18歳のときに父を、そしてそれから数年後に母と妹も結核で亡くしています。
32歳の時にアメリカに渡り、その後、"Mr.トルネード"とよばれるまでに。

回顧録の冒頭は、
「私の人生は、"幸運"と書かれた石の上を歩いているようなものだった」
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