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『発想法 改版〜創造性開発のために』川喜田二郎、中公新書 [読書]

発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書) 新書 – 2017/6/20
川喜田 二郎 (著)

昨年、読みやすくなったという改版が出たことと、
同志とのディスカッションでやはりKJ法は奥深くて面白いという話しになったことから、
改めて新鮮な気持ちで読み直す。


ビジネスや教育の世界で広く支持されており、日本で最も有名な発想法。
これは、文化人類学者の川喜田二郎氏が開発しKJ法の名で知られる。
図にK.Jとイニシャルを記していたのを見た外国人がそのままKJ法と呼んだ。


例えば、ある部族の調査のため、野外活動で膨大な情報を集めた。
しかしながら、その後、どのようにしてこれらの情報を扱うべきか・・・
整理し統合し、そこから新たな発見をするにはどうしたものか・・・
一見バラバラに見える情報から、隠された深い関係を発掘するよい方法はないものか・・・

このような状況を打破するべく試行錯誤がなされた結果、誕生した発想法。

個々の情報を一枚一枚のカードに記載することから開始し、
それらの膨大な情報を関連づけ、統合し、創造的アイデアを導くよう、
思考の収束と拡散を巧みに織り交ぜながら解決へと導く。


KJ法をアレンジした方法は様々な分野で使われているが、
本家本元の手法をマスターしている人は一握りらしい。
一見シンプルに見えるがゆえに誤解されていたり、使用法が間違っていることも多いという。

ということで、川喜田博士の著書に立ち返ってゼロからもう一度おさらい。



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内容は言うまでもなく良いのだが、
文章が美しく簡潔で、なおかつ力強い。

一言一句、言葉の選択や語順に極めて神経が使われていることがわかる。
なるほど、苦労の末KJ法を開発した人が実際にこの方法をフル活用して、
この本も書かれているのだ。
文章からその威力が伝わってくる。

たしかに言葉は強力な武器となる。
秩序ある整理整頓された思考あってこそ、言葉は強力な武器となる。

日常生活の中で「考える力」を常に大切にすることで思考の整理力が身について行く。
考えるくせをつけるということが、教養を身につけるということ。


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「考える力」を伸ばすことを追求する立場としては、見逃せない内容。

とりわけ、
160-161ページ、とても興味深い内容。
KJ法を使いこなすには、種々の思考力をフル稼働させる必要があるという。


2行目〜4行目
「これらの個人的な用途のなかで、おそらく今後大問題となってゆくのは、思考力を向上させ、
それを通じて創造的能力を培うことである。なぜなら、KJ法は思考力をひじょうに鍛えるように思われるからだ。」

上の文章に続き、KJ法の中にどういう種類の思索能力が要求されるかが、
流れに沿って列記されている。


さて、何種類ぐらいあるのだろうか。

なんと、12の思考能力。
この一つの発想法を活用する際には、12の考える力が求められる。
この方法を使って脳をフル稼働させれば、一気に12の思考力が鍛えられるということ。


探索的能力
単位化の能力
圧縮化の能力
親近感のあるものを一カ所に集める能力
圧縮したキャッチフレーズをつくる能力
素直にデータに耳を傾け、素直にそれに従う心の姿勢
空間配置の能力
情報を前から後へと連結する、時間的鎖状の関連をつかむ能力
発想させる能力
叙述と解釈とを緻密に区別できるように表現できる能力
自分にも他人にも、まぎれなく一義的にしか解釈しようのない文章的な表現
以上のような心の諸能力を使い分けつつ関連的に行使する能力



考える力と創造性は教育改革の最重要キーワード。

KJ法については、ここでは触れないが、
小学校5年生でもしっかり使えると本書に書かれていたことだけは強調しておきたい。


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原点に立ちかえる重要性を改めて。

例外もあるとは思うが、このKJ法に関しては、他の人が書いたものより
開発者自身の説明が断然分かりやすい。

オリジナルは大変重要。
理論、思想については特に、オリジナルを必ず見直さなければ。

とりわけ、膨大な情報が猛スピードで氾濫する現代。
情報を得られるスピードも速いが、失われるスピードもまた速い。
地球全体で猛スピードの伝言ゲームが行われているのだから。

伝言ゲームで充分な情報と、そうではない情報の区別が大切。

失くしてしまってもよい "いまだけ情報"と、
大切にとっておきたい "これからもずっと情報"を峻別する智恵が求められている。









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